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【64冊目】『おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?』→すぐに役立つものは、すぐに役立たなくなる

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かつてヨーロッパでは、教養人が身に付けておくべきとされる「自由七科(リベラルアーツ」というものがあったといいます。本書はそのリベラルアーツ、自由七科を現代になぞらえて池上彰さんが選んだ内容となっています。では、池上彰さんが選んだ7つはなんなのでしょうか?
①宗教 ②宇宙 ③人類の旅路 ④人間と病気 ⑤経済学 ⑥歴史 ⑦日本と日本人
著者は東京工業大学でリベラルアーツを教授として教えているといいます。その講義だと思って読むといいかもしれません。
 

教養とはなにか?

本書にはこう書かれています。
「自分がどういう存在なのか」を見つめていくことなのではないでしょうか。「自分自身を知る」ことこそが現代の教養だろうと私は思います。自分はどこから来て、どこに行こうとしているのか。この場合の「自分」とは、文字通りの自分のことでもあるし、日本人あるいは人類のことでもあります。
 
その現代の教養をえるために必要なものが上に書いた7つということですね。教養ときくとなんとなくすぐに役立つものというイメージですが、そうではないと著者は言っています。すぐに役立つものはすぐに役立たなくなるということです。
すぐに役立つものではないかもしれませんが、やがて有効になるものということです。
 

自分にとって未知の分野

僕が興味深く読んだのは①の「宗教」でした。
普段あまり宗教について考えたことも、勉強したこともありません。勉強になった部分のメモです。
 

新約聖書と旧約聖書

「旧約」「新約」の「約」は、約束の約です。神がイエスをこの世に遣わされたことによって、人びとは神と新しい約束をした。キリスト教ではこのように考えて「新約」と言います。キリスト教徒から見ると、それまでのユダヤ教の聖書は古い約束なので『旧約聖書』と呼ばれるようになりました。
これは僕は恥ずかしながら、「訳」の違いかとずっと思っていました。こうも解釈できるし、こうもできるのような…。でも、全然違いましたね。
あくまでもキリスト教の立場からの言い方ということです。
 
 

「輪廻」の考え方

仏教の「輪廻」は決して明るい考え方ではないといいます。
仏教は、生きていることは苦しいことだと考えます。輪廻を繰り返すこと、何度も生まれ変わることで、苦しみがいつまでも続くことになります。
 
そもそもこの「生きていることは苦しいこと」という前提を知らなかったですね。その上で「悟りを開く」ということは、輪廻の輪の外にでるということ、すなわちもう二度とこの世に生まれ変わることはないということというのです。これは驚きでしたね。
輪廻とか悟りを開くというのは、生まれ変わるときにより良い状態に生まれ変わることだとずっと思っていました。そうではないということ。
ん~、勉強になりました。
 

<最後に一言>

各章で本当に勉強になることが書かれています。知っているようで知らないことって本当に多いのだなと感じます。
細菌とウィルスの違いは?と聞かれたときにパッと答えらる人は少ないと思います。そんなことが、物事の背景とともに書かれていますから、とてもいい一冊ですね。
 
経済学もアダムスミスとかマルクスとかケインズとか聞いたことあるけどよくわからない人も多いかもしれません。本書を読んでから経済学を勉強するのとしないのとでは理解がかわってくると思います。
 
池上彰さんの説明のわかりやすさは本当に感心します。
本書を読んで、教養の第一歩を学ぶことが間違いなくできますね。
 
おとなの教養―私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書 431)

おとなの教養―私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書 431)