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【109冊目】『希望の資本論』-資本論を読むことは論理の力を身につけること

   希望の資本論 (朝日文庫)

マルクスの『 資本論  』を読んだことがある人はどれくらいいるのでしょうか?
もちろん『資本論』を知っている人は多いとは思いますが、それを読み切ったという人はあまり多くないのではないかと思います。
さらに読み切ったうえで理解もしている人となるとさらに少なくなるでしょう。
 
その『資本論』でマルクスが描いた世界が現実になってきているといいます。どんな世界なのでしょうか。
資本主義は、放っておくと、どこまでも格差が広がり、やがては、資本主義を維持するための労働力すら確保できなくなる。
というもの。
現代になぜ資本論を読む必要があるのか、本書を読めばわかる気がします。
 
本書は、池上彰さんと佐藤優さんの対談方式で書かれていますが、この2人の知識量が半端なくすごいことに感心します。
マルクスに大きく影響を受けているこの2人が『資本論』を読むべき理由を語ります。
 
 

資本論を読むべき最大のポイントとは?

最大のポイントを佐藤氏はこういっています。
『資本論』を読むべき最大のポイントは何かというと、目には見えないが確実に存在する資本の力を見きわめるということ。資本はお金ではありません。
どういうことかということも書かれています。
仕事として働いている時間では、一人ひとりの労働力は商品化されているので、上司の言うことには従わなければならない。
それに対して、労働時間外に飲みに行こうと言われたとしたら、行く必要はない。それは、資本の論理が貫徹していると。それは、働いている時間において、労働力が商品化されているからだといいます。
なるほど~と思いましたね。
 
資本というとどうしてもお金(資本=お金)と考えてしまいますがそうではないということでうね。
資本は必ずしもお金ではなく、ある時は商品であり、別の時は労働力であるといった運動体であり、目に見えないものなんです。
 
このように、考えることができるようになるのが『資本論』だといいます。
目に見えなくても、ここまでは確実にこのシステムでできる、できないといった判断がわかるようになるということです。
 
 

『資本論』でもなくていい?

佐藤氏はこうも言っています。資本論でなくてもいい、と。
「論理の勉強」の観点からかというと、資本論でなくてもいいというのです。
『資本論』でなくてもいいんです。ヘーゲルの『精神現象学』でもいいし『大論理学』でも、あるいはハイデッガーの『存在と時間』や西田幾多郎の『善の研究』でも、なんでもいい。要するにとても難しく、しかし理屈の通っている本をていねいに読んでいると、物事を理屈立てて読むということができるようになります。そうすると騙されにくくなるんです。
 
本書の至るところで主張されてる『資本論』読むと論理が強くなる
この資本論を読むことによって、「論理の力」を身につけることができ、それをさまざまなシーンで生かすことができるということ。
今の時代、見えている部分だけを見ていたら騙されるというか、何も見えていないということも多い。だからこそ、この資本論を読んで論理の力をつける必要があると思いますね。
そして、それは資本論でなくても、難しく、理屈の通っている本を丁寧に読むということが重要だというのです。
 
 

資本の論理に巻き込まれないために

すべては資本の論理に流れていってしまい、人生も家族も、すべてがお金に換算されてしまうのが資本主義なんだということ『資本論』は描いている。私たちが人間性を失わないようにするには、そのすべてをお金に換算する論理から抜け出る力が必要なんだと。
 
このすべてがお金に換算されるというのが資本主義
この資本の論理に巻き込まれないためには、直接的な人間関係が重要だといいます。
身近なところでいうと、お手伝いをしたからお小遣いをあげるというよくあるシーンですが、これも資本の論理がよくわかるとしなくなるといいます。
 
合理性とは違うこと、お金には換算できないものがあるんだという、ことがよくわかってくるという話です。
たしかに今、すべてのものがお金に換算されいているような気がします。ただ、その中で大事なのは、直接的な人間関係。これこそ人間性を失わないようにする重要なポイントなのですね。
 
 
☆☆☆☆☆
本当の「勉強」というのはこういうことですよね。
暗記ではなく、何かを通して力を身につける。『資本論』では、「論理の力」を身につけることができるといいます。
とても難しく、理屈の通った本を丁寧に読み込む。そうすることによって論理の力を身につけることができる。こういった勉強をしていかないといけないと強く感じました。
 
希望の資本論 (朝日文庫)

希望の資本論 (朝日文庫)